15章

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私とは逆バージョン。 マスターはさらに言葉を続けた。 「それから、離婚することになり、アンナさんは日本に残って涼子を女手一つで育てました。私は何かできないかと思い、社会経験のためにバイトとして雇いました。孫バカなんですよ」 涼子のお母さんって逞しい。 普通、夫に浮気された挙げ句、離婚したのに日本に残るなんて。 私なら無理。 「マスターは愛情と責任、二つの気持ちから涼子を見守っているのね。同じ人間として尊敬します」 椿姫はマスターを尊敬の眼差しで見つめる。いや~、守備範囲が広いこと。 「涼子はしっかりしているから大丈夫じゃない?」 「外見はそう見えますが、案外抜けてますよ。」 懐かしい思い出を思い返すような顔で小さい笑うマスター。 お祖父様、孫娘さんを下さいなんて言えない。 三人で話していると、涼子が静かに戻ってきた。バーテンダー姿が眩しい。 「マスター、お客様も落ち着いてきましたので看板を戻しましょうか?」 祖父と言っても、仕事上では雇い主だから丁寧な敬語で了解を得ている。 マスターはニッコリ笑顔で答える。 「お願いします。今日は大変だったからな、今後について会議を開こう」 確かに初日から大変だったわね。 会議を開くなら、私達も… 「なら、私達はこれで失礼します。私と陽子も学校がありますので」 椿姫!また美味しいところを… 私は恨めしそうな顔で椿姫を見る。 余裕の笑みで私を見てくる椿姫。 「すみません、追い出す形になってしまって…今日のお勘定はいりません」 「大丈夫だよー。じゃあ、今日はご馳走さまでした。」 マスターのオーラに負けた。 私は少し肩の力が抜けた表情をしていると、居心地の良い声が聞こえた
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