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「自分の中にあるものを発掘しただけ。それより涼子のことだけど本気なら夜の遊び、辞めたら?」
椿姫の言葉が何かに突き刺さる。
誰かに指摘されるなんて久しぶりな感覚。夜空に浮かぶ三日月を見つめた。
「習慣づけてきたことを辞めることできないわよ。私が一人に執着するなんてあり得ないから…私は…」
「愛人の子だから?」
その言葉に反応して、椿姫を少し睨んだ。その通りっていう反応がしたかったけど、それは私にとっての「逃げ道」。
「言い訳したくないんでしょ?貴女が私に対してしたことを返しているだけよ。私も貴女も臆病者。」
「ちがっ…!」
否定しようとしたけど、図星を言われた。図星を言われたことに対し、言い訳しようとする自分が嫌だ。
夏から秋に変わろうとする風が身体に刺さる。
「違わない…椿姫の言う通りだもん。私は臆病者&卑怯者。認めないといけない所を見たくなかった…」
思わず、下を向いていると身体が暖かい何か包まれた。それに気づくのが遅かった…
「貴女は私に戦う意志と新たな見方を教えてくれた人。お互い様精神よ」
椿姫が私を抱き締められている。
久しぶりに味わう感覚、安心した。人って暖かい生き物なの?
「今日の椿姫…キャラ変わりすぎだからー!もぉー」
私は椿姫のうでの中で小さく呟いた。
その呟きが椿姫にきこえたらしく、また小さく笑っている。
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