15章

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「自分の中にあるものを発掘しただけ。それより涼子のことだけど本気なら夜の遊び、辞めたら?」 椿姫の言葉が何かに突き刺さる。 誰かに指摘されるなんて久しぶりな感覚。夜空に浮かぶ三日月を見つめた。 「習慣づけてきたことを辞めることできないわよ。私が一人に執着するなんてあり得ないから…私は…」 「愛人の子だから?」 その言葉に反応して、椿姫を少し睨んだ。その通りっていう反応がしたかったけど、それは私にとっての「逃げ道」。 「言い訳したくないんでしょ?貴女が私に対してしたことを返しているだけよ。私も貴女も臆病者。」 「ちがっ…!」 否定しようとしたけど、図星を言われた。図星を言われたことに対し、言い訳しようとする自分が嫌だ。 夏から秋に変わろうとする風が身体に刺さる。 「違わない…椿姫の言う通りだもん。私は臆病者&卑怯者。認めないといけない所を見たくなかった…」 思わず、下を向いていると身体が暖かい何か包まれた。それに気づくのが遅かった… 「貴女は私に戦う意志と新たな見方を教えてくれた人。お互い様精神よ」 椿姫が私を抱き締められている。 久しぶりに味わう感覚、安心した。人って暖かい生き物なの? 「今日の椿姫…キャラ変わりすぎだからー!もぉー」 私は椿姫のうでの中で小さく呟いた。 その呟きが椿姫にきこえたらしく、また小さく笑っている。
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