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そんな穏やかな空気の中…
「椿姫…案外、胸大きい!!」
私の目線がちょうど胸の位置、思わず言葉が出てしまう。
椿姫のオーラが黒くなっていくが、すぐに穏やかになった。
「貴女って人は…。少しでも、まともと思った私がバカだったわ。」
「私はいつでも真面目なんだけどー。椿姫とは戦友だしー何だかんだで椿姫は私に優しい。」
私は椿姫から離れて、ゆっくりと歩き出す。
私達の関係は友達とは違うような気がする。
椿姫は静かに私を追いかけてきて、軽く頭を叩いた。
「いたっ!」
私は椿姫の方を振り返りながら、自分の頭を擦る。
「誉めすぎ」
「素直すぎる椿姫も可愛いじゃん♪」
椿姫の表情はだんだん険しくなるが、なぜか軽くため息を吐いて腕を組む。
そして、私に近づいてきて口を開く。
「私は貴女の味方にならないけど、敵にもならないから」
その言葉に心がジワッと暖かくなる。
初めて、こんな気持ちになり、どう表現して良いのか分からない。
「やっぱり、ツンデ…」
最後まで言うつもりの言葉は椿姫によって遮られた。
私は椿姫にしつこく、絡むが椿姫は冷静にかわしていく…というやり取りをしながら帰った。
あの夜空は綺麗で、今でも鮮明に思い出される。
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