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それからまた数週間後。
私はレポートに追われて、大学の芝生に寝転んでいた。
忙しすぎてbarに行けてない。
ストレスで死にそう…。
散乱する参考書達、小型ノートパソコンを放置しているせいか、通りすぎていく人達の目線が痛い。
気にしない。
椿姫は最近、バタバタしていて連絡がつかない。留学がどうとか言ってたけ?
今は恋愛より勉学かしら。
私だって、本当は…。
涼子の連絡先を知っているのにとらない、とりたくない…。臆病者ねぇ。
ため息をついて、参考書を呼んでいると不意に参考書が浮いた。
「えっ?」
「Hallo、Weist du, was machst du?」
この発音は!と思って、勢いよく起き上がって顔をあげると…
赤茶色の髪でショートにパーマがかかっ ている。
目は光に当たると、蒼くなり、細身のパンツ、紺のカットソーがよく似合う。
そして、あの爽やか笑顔で私を見てくる。
「久しぶりですね、陽子さん。しばらくbarに来なかったから心配しましたよ。勉強ですか?」
目の前にいる。涼子…
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