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結構、寝ていたことに気づいて椿の方に向き直した。
長いサラサラした黒髪が広がり、綺麗な顔つき、長い睫毛、そして布団から見える白い肌。
えっ?白い肌?
自分の呟きにクエスチョンマークをついた。
まさか!
一瞬焦り、掛け布団を勢いよく捲った。
そこには…
きめ細かい綺麗な白い肌。長い手足。
形の良い大きめの乳房が大胆に露出されている。
身体中が急激に熱くなっていくのが分かる。金縛りのように動けない。
椿は掛け布団がなくなったせいか、小さく動き始める。
『なっ……』
思わず、声が出てしまった。
私の声に反応した椿は、ゆっくりと目を開ける。
バッチリ、私と視線が合ってしまった。金魚のような口になっている私を椿は小さく笑った。
「クスッ。最初に見た景色が、貴女の間抜け面なんて笑える」
長い指を口元に持っていき、笑いを堪える椿。
私は我に帰って、口を開く。
『なんで全裸なのよ!服を着て!』
椿へ向けて、そこら辺にあるシャツを
勢いよく投げた。上体をゆっくりと起こして、ベッドの淵に腰をかける椿。
メリハリのある身体つき。長い黒髪が乳房をちょうど隠れている。
「良いじゃない。暑かったから脱いだだけよ。皐は甘えん坊ねぇ…抱き付いてきてそのまま寝るんだから。ベッドまで運ぶのに一苦労だったわ。」
全裸で説教しないでください。目のやり場がないから。
ため息を吐きながら、私が渡したシャツに袖を通す椿。
やっと、隠してくれたと安堵な気持ちにやった。
「顔を赤くするということは、私のことを意識している証拠かしら?」
どういう思考をしているのだろう。時々、変な発言する人だ。
だけど、私の心臓がやけにうるさい。
『そそんなことは…』
否定出来ない自分がいる。
また顔が赤くなっているに違いないと思い、視線を下に向ける。
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