16章

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結構、寝ていたことに気づいて椿の方に向き直した。 長いサラサラした黒髪が広がり、綺麗な顔つき、長い睫毛、そして布団から見える白い肌。 えっ?白い肌? 自分の呟きにクエスチョンマークをついた。 まさか! 一瞬焦り、掛け布団を勢いよく捲った。 そこには… きめ細かい綺麗な白い肌。長い手足。 形の良い大きめの乳房が大胆に露出されている。 身体中が急激に熱くなっていくのが分かる。金縛りのように動けない。 椿は掛け布団がなくなったせいか、小さく動き始める。 『なっ……』 思わず、声が出てしまった。 私の声に反応した椿は、ゆっくりと目を開ける。 バッチリ、私と視線が合ってしまった。金魚のような口になっている私を椿は小さく笑った。 「クスッ。最初に見た景色が、貴女の間抜け面なんて笑える」 長い指を口元に持っていき、笑いを堪える椿。 私は我に帰って、口を開く。 『なんで全裸なのよ!服を着て!』 椿へ向けて、そこら辺にあるシャツを 勢いよく投げた。上体をゆっくりと起こして、ベッドの淵に腰をかける椿。 メリハリのある身体つき。長い黒髪が乳房をちょうど隠れている。 「良いじゃない。暑かったから脱いだだけよ。皐は甘えん坊ねぇ…抱き付いてきてそのまま寝るんだから。ベッドまで運ぶのに一苦労だったわ。」 全裸で説教しないでください。目のやり場がないから。 ため息を吐きながら、私が渡したシャツに袖を通す椿。 やっと、隠してくれたと安堵な気持ちにやった。 「顔を赤くするということは、私のことを意識している証拠かしら?」 どういう思考をしているのだろう。時々、変な発言する人だ。 だけど、私の心臓がやけにうるさい。 『そそんなことは…』 否定出来ない自分がいる。 また顔が赤くなっているに違いないと思い、視線を下に向ける。
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