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大志くんと初めて会ったのは入学式。
わたしは一目惚れした。
大志くんのことを見た瞬間ドキドキが収まらなくて、最初は話しかけることすらできなかった。
でもわたしの存在を知ってほしくて、緊張しながらも話しかけた。
そして告白した。
『よ、横峯 大志くん。わたし、季風 春子って言うのっ……んっと、大志くんの2個上で、その……』
いきなりわたしに話しかけられて大志くんはキョトンとしてて、でもそんな顔もかわいすぎる~とか興奮したりしていた。
『わたし、入学式のときに大志くんに一目惚れしたの! 大志くんのことが好きです!』
『えっ。俺、ですか?』
わたしは必死に何回も頷く。
『あ~すいません。俺、先輩のこと全然知らなくて……でも告白してくれて、すっげぇ嬉しいです! ありがとうございます♪』
『あの、フラれちゃったけど……仲良くしてくれる?』
『はい、もちろんです』
わたしのいっぱいいっぱいの告白を、優しく受け止めてくれた大志くんにわたしはますます惚れた。
「~……もうっ、いいかげん離れろよっ!」
大志くんは、無理矢理わたしを引き離す。
「え~やだぁ、もっとくっついてたいぃ」
「春子、勘違いされるからまじでやめて」
「え~? わたしは別にいいけどぉ」
「春子がよくても、俺がヤなの。じゃ!」
それだけ言って、走って行ってしまった。
「あ~あ、行っちゃったぁ……」
「春子に狙われるなんて、あの後輩もかわいそうだね」
「ん~? 夏希ぃ、それどうゆう意味ぃ?」
「どうせ遊びでしょ。遊びに付き合わされるなんてかわいそうって意味」
「夏希のバカ!!」
わたしは持っていたスクバで、夏希の体を思いきり叩く。
「もう昔のわたしじゃないんだから! 姉妹でそんなこともわかんないの?!」
わたしは怒ってその場をあとにする。
「いったぁ~……なんなの、あのババア」
「今のはなっちゃんが悪いよ?」
「はぁ!? なんでわたしがっ……」
「春ちゃん変わったじゃん。誰にも、物にも依存したことがない春ちゃんがさ、ああやって避けれながらも毎日毎日話しかけてるんだよ? 頑張ってる人のことけなすなんて、ひどいよ」
「うっ……」
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