①長女・春子の場合

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夏希はかなり女子にモテる。 まぁ身長170cmで髪はショート。 柔道とかやってたからガタイはよくて、見た目よりも何よりも心が男前だ。 そんなかっこいい夏希だからいいんだけど♪ 「じゃあうちら先帰るね~」 「うん♪ ばいばぁい♪」 わたしはじっくり大志くんを堪能しよっと♪ 「またきてんのか、おまえは」 ポンッと頭を撫でられたので、またまた後ろを振り向く。 「おー先生ぇ」 「毎日毎日、飽きねぇな」 わたしの頭をなでたのは、野球部の顧問だ。 60間近のおじいちゃんだが、口は悪いしバリバリ運動もできる。 けどみんな普通に『おじいちゃん』って呼んでる。 「飽きないよぉ。だって、大志くんがいるもん♪」 「へっ、青春ってやつか。何なら差し入れくらい持ってこいよな」 そう言っておじいちゃんはグラウンドに入っていく。 くっそー、部活中は部外者立ち入り禁止とか野球部厳しいなー。 悠々と入っていくおじいちゃんむかつくぜ。 ん、てか、おじいちゃん差し入れがどーのこーのって…… ………………。 それだぁ!! わたしは家に帰り、夕飯を食べ終え、さっそく台所に向かう。 「あれっ、春ちゃんが台所立つなんて珍しい~」 「ん、ちょっと作りたいものあって」 「春姉、意外に料理だけはできるもんね」 「ちょっと、冬花。意外にも失礼だし、料理だけできるも失礼ー」 「じゃああと何できんの?」 「……秋奈、冬花がいじめる……」 「わー春ちゃん泣かないで! 料理頑張って! 冬ちゃんも言い過ぎ」 わたしは落ち込みながらも、料理を開始する。 ゆっくりやったら、夜中になっちゃうかもだし。
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