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血なまぐさい…?
何故誰も使わないはずの水路に?!
慌ててランタンに火をつけ
走る…
走る…
走る…。
黒いコートの少年がうなだれていた、
下半身血まみれのままで。
持ち歩いていた薬を塗り、包帯を巻く。イストには手慣れた作業だった。
『お兄さんお兄さん、大丈夫?いきてます?』
黒いフードの下に鋭い眼光。
泣きそうな顔で見つめると意外なライトトーンでこういった。
『アンタは機関の奴じゃ無さそうだなァ』
…機関。 ラーグシティとエラ島の殆どを仕切る集団であり、人気のないシティ北と島南は監視下ではなかった。
『そうだよ、僕は科学者。薬ならたくさんある…だからおいでお兄さん。』
自分でも驚いた。
暗くてよくわからないが血まみれの少年に手をさしのべたことに。
肩を貸すと
『アンタみたいな奴、見たことねェ』
と囁かれた。
マンホールをあけるとカサカサとカラフルウサギが困惑した顔で見上げた、
大丈夫、僕の仲間だから。
全然使ってないベッドに座らせた瞬間。
気づいてしまった、
…彼はラーグシティ最強の賞金首、エレイン=ガーネッタということに。
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