無駄な発明により変わり始めるってどうなの?

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 こういう時に真価を発揮する小さな体。 複雑な気持ちのまま、田村を回り込む様に避け、校門の陰で身を潜める。  さすがに走って逃げるのは不自然だろう。 私のとった作戦は、”気づけば暁いなくね!?”作戦だ。  我ながらチープな作戦名。 だが、効果は絶大だった様だ。 「あれ? 根古屋さん……」  田村が私の姿を見失う。 月華も同様に私を見失い、首を左右に動かしながら姿を探していた。  数分経ち、どうやら諦めた様子の二人は、首を傾げながら校門を抜け大通りへ出る。 ――フッ……馬鹿な奴らめ!  私の作戦勝ちと言えるだろう。
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