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油断――
そう。
私は油断していたのだ。
「やっぱりいたーっ!」
ほくそ笑みながら立ち上がった瞬間、校門の表側から覗いてた二人に発見される。
「あ、うん……」
間抜けな返事を返すしか無く、私は項垂れて二人の許へ。
どうやら、過去の経験から私の行動パターンを把握している月華が、「その辺に隠れてる」と田村に言ったようで、それなら先に出たふりをしておびき出そうという話しになったらしい。
――神は何て不公平なの……
田村に乳だけでなく、知力まで与えるなんて――
ちなみに田村は学年で十指に入る秀才である。
対して、私は下から探した方が早いレベルの成績。
成程。
「――勝てるはずがない……か」
うつろな瞳で私は一人呟いた。
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