無駄な発明により変わり始めるってどうなの?

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「根古屋さん……?」  遠い目をしていた私へ、不思議そうに田村が問いかける。 それに両手を肩の高さまで持ち上げ、やれやれ――と、月並みなリアクションを見せた月華は、楽しそうに笑いながら口を開いた。 「ふふっ。やっぱり暁ちゃんは”可愛い”よね」 「”可愛い”……?」  月華の言葉に田村は同意を見せ、何度も顔を上下に振る。 「うんうん。何か……”妹みたい”だよね」 「”妹”……?」  私の中で何度もリフレインする”可愛い”という言葉。 ――ホルスタイィィィィンッ!  最早憎しみの塊となり果てた私の心は、あの日の事を思い出していた。 私の心に悪魔が産まれた――  小学校6年生の時のプールの授業を。
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