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周りを慌てて見渡すと、月華程ではないが、皆それぞれ小振りな果実を胸元に実らせている。
――え……?
私は自身の胸元を見ながら混乱していた。
何故私だけ――
真っ平らなのか。
授業の時間が差し迫り、慌てて制服を脱ぎ始めた私。
そして月華は、あの言葉を口にする。
「わ~……暁ちゃんのって可愛いよね」
ドンッ――と、重たいものが肩へ圧し掛かった気がした。
何だこの敗北感は?
それ以来私は……
水泳の授業と月華が嫌いになっていった。
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