無駄な発明により変わり始めるってどうなの?

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 制服を着ながら改めて周囲を確認したが、残念な事に私より小さな果実は見つからなかった。 ――捜索願でもだそうかしら…… 『お客様の中に微乳の方はいらっしゃいませんかーっ!?』  そんな妄想をしながら保健室を後にし、重たい足を運んで階段を上る。 階段と言えば、自己主張の強い果実なら縦に忙しなく揺れるだろう。  擬音で表すなら、「プルンプルン」が好ましい。  だが、控え目な私の胸元は一切の自己主張をやめ、まるで関東平野の如く穏やかで平坦である。 「ムカツクわ……」  舌打ちしつつ教室に戻ると、私より先に戻っていた女子が声を掛けてきた。 「どうだった? 身長伸びた?」 「うーん……1センチかな。151センチになったよ」 「そっかー」  他愛ないやり取り。 どうせお前も馬鹿にしてるんだ!  チビで微乳な私をね!!
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