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広くて真っ白な講堂、大勢の人が見守る中”それ”は行われる
檀上には年老いた一人の威厳をもった老人と
真っ黒な制服をピシ、と着込んだ真っ黒な一人の少年
『貴方は国の方針に従い、己の任務を全うし
決して…裏切りを行わない事を命を懸けて誓いますか?』
こく
何も言わずに老人に了解の意を示す
『神代正義、国立ーーー警察学校二学年
この場に置いて正式にここの生徒と認める』
「有難うございます」
床に膝を着かせ、胸に手を当てて深く礼をする
制服の胸ポケットで存在感を放つエンブレム
パチパチ、と講堂中に拍手が響き渡った
”誓いの儀式”
この学校ではそれなりの資格が有るものしか”本物の生徒”にはなれない
この学校は相当なエリート学校で、毎年凄い数の受験者から選ばれた中の人物が集う学校
その優れた者の中から更に優れた者を”本物”とするのだ
実際数えてみると、”本物”は十分の一にも満たない
この儀式は認められた生徒を”本物”にするための行事である
実力があり、認められていようがこの儀式を通らないとただの一般生徒止まり
これは、古くから守られてきた伝統であり”絶対”
誰も覆すことはできない、許されない決まり
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