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扉を両手で開くと同士に、夕日の光が店内の闇を薄めた。
この塩みたいな香り……アロマ?
あたしは香ばしい匂いを肺いっぱいに吸い込んだ。
店内の闇、とは、深海を連想させる薄暗さの比喩。
天井のブルーライトやグリーンライト。寒色でも物が見える明るさを充分与えてくれている。
カウンターの棚には多種多様のワインボトル。
深緑、ブドウ色、透明……ボトルは夕日の微かな隙間光で輝く。
カウンターには卵形のキャンドルが置かれていた。
「お一人様?」
バー観察中のあたしに呼び掛ける、低く落ち着いた声。
カウンターから。
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