始まり

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えーっと… 食料は携帯食の方がいいか、あと服を一式と小さく畳めるジャンパー…寒いと困るからな。 あとはワイヤーと縄とミニ工具一式。 ほら、トンカチとかペンチとかのミニ版だ。 それと…サバイバルの知識が書いてある本。 まぁあっちは異世界だから意味ないかもしれないけど。 足りないものは…ナイフとかライターとかだな。 ナイフはカッターで代用できるから問題はライターだな。 これは通学途中のコンビニで買えるな、 じゃあ一通りは揃ったな。 思ったより軽く済んだ。 「………さて、」 よっこいせとリュックを背負う。 厨二病関係なく、多分俺はこの部屋に帰ってくることはないと思う。 家族がいないわけではないが、特に仲がいいわけでもなく冷えた関係だ、 それを寂しく思ったこともあったが今となっては身軽でいい。 ………えっ?異世界は怖くないのかって? 確かに怖い思いはある。 だってあっちに行ったら言葉だって通用しない可能性が高いし、魔物とかいたら為す術なく食われるだろう。 もしかしたら人間もいないかもしれない。 いや…召喚だから人間がいない確率は低いだろうけど……、 そもそも異世界まで俺がたどり着けるかも分からない。 それでも…… 新しい世界が広がるならば俺は行く。 …………なんてな! さぁこんなところでカッコ付けてないで行こうか、さっさと付いていかないと異世界に行けないし。 ガチャッ… 玄関のドアを開け、 「………さようなら」 バタン… こうして俺は予感を感じながら外へと歩きだした。 .
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