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『先輩って草食系に見えますけど、実は肉食なんじゃないですか?羊の皮を被った狼だったり、ほら、ロールキャベツ男子で』
『はは、そんなんじゃないって。あー、僕は羊の皮を被った羊ってところかな』
あの日、先輩はそう言って笑っていた。
「……」
羊の皮を被った羊。
その羊は何の為に、誰を欺く為に仲間の皮を被ったのか。
「なんで」
目の前に広がる光景と、鼓膜を揺らす悲鳴と、立ちすくむ先輩と。
「……ああ、君も居たんだ」
私に気付いた羊は、そう言って笑った。
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