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「キシシシッ、シャーッ!!」
化物は、動く気配を見せない少年を不思議に思ったのか、小さく首を傾げる。しかし、次の瞬間には、思考を止め、少年へ襲い掛かってていた。
「無駄だ」
「キキッ、ギシャッ!?」
少年へとあと数メートルとなった時、化物の足元から突然、炎の柱が吹き出す。それはあっという間に化物を囲む様にゆらゆらとうごめき、円を描いた。
少年はその様子に満足そうな顔をすると、おもむろに左手を前に掲げた。
その指には赤い宝石が嵌められた指輪が光る。
「“魔法石”の調子も上々だし、もうそろそろいっちょやってやるか!――変身!!」
そう叫んだ瞬間、指輪の宝石が輝き出し、少年を光が包む。
そして、次に少年が姿を現した時、その髪型や服装が変化し、周囲には火花が散っていた。
「情熱と正義の深紅の炎、Elementが一人、精霊騎士・ガーネット、いざ推して参る!」
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