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一気に加速をつけ、少女へ向かっていく化物にガーネットもすかさず走り出す。しかし、少女との距離は、明らかに化物の方が短い。
(頼む、間に合えっ!!)
「……っ」
化物の爪が、あと少しで少女の体を捉えようとし、ガーネットが諦めかけたその瞬間だった。
「……だから一人で先に行くなと忠告したんですよ」
「ギャッ……!?」
「……っ、お前は!!」
謎の声と共に、少女の背後から無数の氷柱が化物目掛けて飛んでくる。それは化物の硬い皮膚を貫通し深く抉った。
化物は怯み、警戒するように少し後退する。
「はぁ……これだから赤は嫌いなんです」
「やっぱり!助かったよ“サファイア”」
少女の後ろから姿を現したのは、ガーネットと同じく、純白の軍服をきっちりと着こなした青が目立つ理知的な面持ちの青年だった。
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