0人が本棚に入れています
本棚に追加
「何ですかその変な名前。もしかして私に言っているのですか?」
「ん?当たり前だろ。そうじゃなかったら何なんだよ」
「……単純明快かつセンスが無くて反論すら億劫ですね。加えてその罪悪感のない顔と存在が腹が立ちます」
「とりあえず……俺罵られてる?」
「……人に聞く前に、もう少し胸に手でも当てて考えてみて下さい」
「ん~……」
サファイアと呼ばれた青年は、現れるや否や、化物と少女を挟んで、顔色を一つも変えずにガーネットへと悪態を吐く。
しかし、ガーネットはその悪態を理解していないのか、彼の言葉通り胸に手を当てて首を傾げていた。
「貴方馬鹿ですか?すみません、馬鹿でしたね」
「お、おおう、そんな事は無いっ!」
「……はぁ。そんな事より、“お二人”も到着したようですね」
「え?」
サファイアが上を見上げふとそう呟く。それに釣られガーネットはもちろん、化物と少女も思わず顔を上げた。
.
最初のコメントを投稿しよう!