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「親父!母さん!行ってくるなぁ!」
灰色髪の少年は扉を開けて外に走って行った。
「はい。行ってらっしゃい。」
白色の髪の女性は手を振りながら少年を見送る。
「おい!母さんが母さんなら俺のことは親父じゃなくて父さんもしくはパパと‥む‥行ってしまったか。」
階段から降りてきた黒髪で額に二本の角が生えた男性が家を出ていった少年にそう言うが途中でやめる。
「まったく‥貴方もいい加減息子離れしてください。」
女性は呆れながら男性にそう言う。
「しかしだなぁ‥」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さっき扉から出ていった少年は走っていた。
理由はーー
「くっそー‥入学式の日に寝坊とかあり得ねぇ!」
ーーこのとおり。
寝坊で遅刻寸前なのだ。
「だいたいなんで親父は起こさないで俺の顔を撮ってんだよ!」
少年は独り言を漏らしながら何よりも速く走っているが息を乱すことなく前へ進んでいく。
「昔からそうだ!あの親父は‥‥ちっ‥囲まれたか‥」
少年は突然止まり周囲を見渡す。
「1‥2‥3‥‥9匹か。」
少年の言葉を合図にしたかのように何もいなかった場所に9匹の白色の長毛の狼が現れる。
「グルルル‥」
「ステルスウルフか。確かSランクだったな。」
ステルスウルフは今にも少年に飛び掛かりそうにジリジリと近づいていく。
「ったく。こっちは時間がないんだ。一瞬で終わらせるぞ?」
少年の周りにシャボン玉が発生する。
「グルァ!」
それと当時にステルスウルフが少年に飛び掛かる。
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