夢見物語

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今の僕は昔の僕に対して、現実を教えたくなる。 夢なんてものは所詮は夢見物語だ、と。 単なる嫉妬だろう。純粋に輝きながら夢に向かって一生懸命、猪突猛進に突き進もうとしていたあの頃の僕に。 他人に馬鹿にされても挫けず、親に反対されても曲げず、周りを気にせず、自分の道を突き進む。 そして、現実に潰された。 あぁ、この時だろうな。夢を諦めたのは。 可能性が残っていれば突き進んだだろう、昔の僕なら。 ほんの僅かな可能性に賭けてでも突き進んだだろう。 今の僕には出来ない愚行だ。そして、勇気だ。 あぁ、虚しい。
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