夢見物語

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夢を諦めたのが今の僕なら、昔の僕を見習おう。 馬鹿みたいに阿呆みたいに周りに迷惑掛けながら、周りに心配させながら。 諦めろと言わんばかりに腕に刺さっている管を引き抜く。機械が耳障りな音を鳴らすが知らない。 無理矢理、体を立ち上がらせる。体が悲鳴をあげているが知らない。 息をするたびに身体中から生気が抜けていく。咳をするたびに血が身体中を染めていく。だから、どうした。 今の僕は馬鹿だ。どうしようもない馬鹿だ。それでいいんだ。 あぁ、満たされる。
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