未知との夏祭り

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 祭りの会場は、例に漏れず河川敷である。俺と礼子は、仲良く手を繋ぐことなく、歩いて屋台が立ち並ぶエリアに向かった。  屋台通りの入口には、お面屋とたこ焼き屋が向かい合わせに店を構えていた。 「あっ! あのお面欲しい!」  礼子が指差したお面は、まっくろくろすけの毛を全て引っこ抜いて、代わりに波平さんのてっぺんの毛を十本くらい適当に移植したような気持ち悪いお面だった。  思わず鳥肌がスタンディングオベーション。 「駄目だ。あれだけは絶対に駄目だ。他のなら妥協してやらんでもない」  ゴシップストーンと話が出来るようになるやつとか。 「じゃあ、いらないや」  どれだけあの気色悪いお面がよかったんだよ。
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