未知との別れ

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 予想通り、俺が目を覚ますと礼子は居なくなっていた。会うのは三日後なんて台詞を思い浮かべたからには、翌朝に何事もなく会話をするフラグだと思っていたが、そうではないらしい。  礼子がいないからか、俺は普段通り夕方まで眠りについていた。  さて、ここで読者の皆様が気になって眠れなかった俺の毎日について話をしよう。  先にも言った通り、まず夜中から夕方まで約十五時間の睡眠を取る。別段仕事が貯まっていなければ起きてもすることはない。  そして、いつも枕の下に敷いている携帯端末スイーツフォンで死神や神からの仕事のメールをチェックする。ちなみに今日のメールは死神と神から一通ずつのみ。……なになに? 『新しい仕事無し』  毎日忙しい死神からの淡泊なメールだった。次は神から。 『今日もニート乙www。人には見せられない姿だよね? だよねwww。ニートの神ギガントワロスwww。テラワロプンテwww』  ……神は暇をもて余しているみたいだな……地獄に落ちればいいのに。  このように、仕事が貯まっていなければ新たに仕事が入ることもない。  一応、バイトのようなものはしているが、これまた引きこもりの延長だ。 「さて、依頼があったネトゲのレベルあげに勤しむか」  一レベル百円のボロい仕事だ。レアアイテムを取る仕事なんかもある。  これが俺の一番の収入源だ。
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