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2 わたし(香坂真香)
そんなわたしの名前は、香坂真香(こうさかまどか)というのだけれど、わたしはどっちかっていうと目立たないタイプで、人の目にはえる輝季とは、まったくの正反対だ。
両親は、わたしが中学のときに離婚(りこん)をして、いまは母親と2人でくらしている。
ほんとうはパパについていって、一緒にくらしたかったのだけど、パパは転勤や出張で仕事がいそがしいから、めんどうがみきれず、両親がはなしあって母といっしょにすむことになった。
母は、部品をつくっている工場でパートをしていて、それが終わってからは、つきあっている男の人に会いにいってるので、家にかえってくるのはいつもおそい。
わたしは母親のことがきらいなので、べつに早くかえってきてほしいとは思わないけれど、さすがに、毎日毎日こんなにおそくまで男とあそんでいることについては、はらがたつときもある。
パパと離婚したのも、母親の浮気が原因だからだ。
高校2年にもなると、大人の事情もだんだんわかってきて、パパのつらさには同情してしまう。
高校さえ卒業したら、わたしは働き口をみつけて、こんな家をでていくだろう。
とにかくわたしは、母のことを、すごくにくんでいる。
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