■第1章 ちいさな殺し屋のちいさな世界

5/26
前へ
/89ページ
次へ
4 輝季との会話 輝季の会話はとてもおもしろい。 学校のかっこいい男子の話とか、すきなタレントの話。他にも、今日しでかしたドジなこととか、毎朝、駅のホームでジロジロとガン見してくるオヤジサラリーマンがやたらとキョドっている話など、おもしろいネタをたくさんもっていて、いつも笑わせてくれる。 つきあいが広い輝季のことの、すべてを知っているわけではないけれど、きっと輝季の友達のなかでも、わたしのことは親友ランキングの上位にはいっていると思う。 親友にランクをつけるというのも、おかしな話だが……。 輝季が、担任の沖田先生とつきあっていたということをカミングアウトしたときは、しんぞうがとびでるかと思うほどびっくりした。 沖田先生が、輝季にしてみせるまなざしや言動には、そこらのカワイイコにたいする、えこひいきをとおりこした愛情がにじみでていると感じることがあったので、(もちろんわたしは嫉妬(しっと)していたが)つきあっているという事実を聞かされて、みょうになっとくできた。 輝季のような大人びたタイプには、同年代よりも、ちょっと年上の男の人のほうがあっているのかもしれない。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加