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5 同級生たちのうらの顔
輝季は、他のクラスの人の事情にもくわしかった。
誰々さんは、父親ほど年のはなれた男の人とつきあっているとか、誰々さんが退学したのは、ナンパされたとき、一度にたくさんの大学生をあいてにエッチをして妊娠(にんしん)したからだとか、誰々さんと誰々さんは、出会い系サイトで援交をしていることなど、わたしがぜんぜん知らなかったことをおしえてくれた。
それらのことは、わたしがまったく思いもしなかったことだったので、とてもおどろきだったし、それを知らなかった自分が、すこしとりのこされているような気にもなった。
「そんなことしてる人、うちの学校にもいたとは!」
「ウリしてる人、ほかにもけっこういるよ」
「えっ!?」
「私が知ってるかぎりでも、おなじ学年の中に、あと7人いる」
「そんなに!」
「バイトなんかするより、かんたんにお金がかせげるからね」
「信じられない……あぶないめにあうとかかんがえないのかな?」
「お金のみりょくのほうが大きいんでしょ。真香は、ほしゅてきなかんがえかただからね」
「それじゃ、輝季もしたことあるの?」
「ない。あんなの、ほかに能がない女のやることでしょ」
きっぱりと、そんな言葉がいえる輝季を、わたしはたのもしく思った。
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