バレンタインの葛藤

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寒い。寒すぎる。 私は布団の中で震えていた。 寒いのは嫌いだ。 冬休みは短いし、学校までは寒いしでいいことはない。 一樹とのデートも寒さを理由に断っている。 (断っても私の部屋に入り浸り漫画を読み始めるが) あーあ。早く春にならないかな。 そう思っていると陽兄ちゃんの魔の声。 「おはよう、梓」 起きてること前提なのね。 「布団剥がすよ?」 私は思わず飛び起きた。 ひどすぎる。そんな...私の愛人をとるなんて! 「おはよう。 飛び起きるくらいなら、起きて着替えておきなさいっていつも言ってるでしょ?」 呆れた顔をして告げられるが、私はむーと口を膨らませるだけで応じた。 寒いんだもん。しょうがないじゃない。 なんとか起き出して、服を着るがパジャマを脱いだときの寒さといったら... なんでこんなに寒いのか。 泣きそうになりながら、リビングに向かう。 陽兄ちゃんはもう大学に行っただろう。 私を起こしたあとに出発するのが日課だから。 いつも感謝してます。 じゃあ大和兄ちゃんは? リビングを覗くと味噌汁をすする大和兄ちゃんがいた。 冬は目覚めがいいのだ。私と同じで。 理由は寒いからよく寝れない。 これに尽きる。
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