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駅前の大通りから一本入った
細い通りにライブハウスはあった。
――ROZAX*――(ロザ)
と書かれた
オシャレな看板を見上げ、
あたしは入り口で思わず立ち尽くす。
「彼のバンド、
いつもここでライブしてるの。
練習はここの隣のスタジオ
借りてるんだって。」
南が隣の建物を指差す。
「――お、南?」
南が指差した建物の影から
ひょこっと現れた背の高い男の人
「あ、蒼ちゃん!きたよー♪」
南は彼のそばに駆け寄ると、
あたしを紹介し始めた。
「蒼ちゃん、こないだ話した
あたしの親友、楓花だよ。」
「楓花ちゃん、はじめまして。
俺は永井 蒼太(ながい そうた)よろしくね。
南から話は色々聞いてるよ。」
「あ、はじめまして!
七瀬 楓花です。
あのー、色々って・・・。」
「まぁ、こんなとこで
立ち話もあれだから中入りなよ。
話はそれから。」
蒼太さんは
あたしたちを中に案内すると、
ちょっと待っててね、と言って
部屋を出ていった。
「なんかっ、南の彼氏すごい!
背も高いし、芸能人みたいっ」
普段、クラスの男子しか
見る機会のないあたしは
ついつい比べてしまう。
「へへ。カッコいいでしょ///
でも蒼ちゃんのバンドのメンバー、
みんなカッコいいんだよー!
楓花、見たらきっと
びっくりすると思うよ。」
そんな話で盛り上がっていると
蒼太さんが戻ってきた。
「お待たせー。
みんな連れてきたから、
紹介するよー。」
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