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『にゃーん』
なんだこれは
器の中には何も無かった。
(誰も器が欲しいと猫は思わぬ)
『にゃー』
エサをくれ
少々焦っていた腹が減りすぎて
足元が揺らぐのだ
『……………』
ビリビリと音を聞き
機嫌良く尻尾を
ゆらゆらと揺らしていた。
゙ゴトン゙と重いだろう骨の入った器が音をたてる。
何かの冗談かと
少女の顔を恐る恐る伺った
『にゃ~』
冗談か?
『………………』
少女はジッと猫に期待の眼差しで見ている。
定めた目は決して揺るがない
まるで山猫のようだ
まさかあのドッグフードで
この仕打ち・・・逆らえん。
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