再会 の 裏

2/69
前へ
/366ページ
次へ
 この学校にも、いなかった――。  僕は大きな溜め息を空に向かってついた。  屋上の塔屋の屋根に登り、行儀が悪いと思いつつも寝っ転がる。  やっと一人になれた。どこにいても僕を取り囲む生徒達。それは僕が転校生で珍しいからってだけでないのは分かってる。  皆にとって僕は十分過ぎる程、珍しい存在だ。日常に舞い込んできた非日常の異物。  そんな僕に何度も何度も話し掛けてくれるのは嬉しいけど、本当に申し訳ない。  だって誰も僕と話をする事はできないのだから……。 「眩し…」  まだキツい太陽の日射しに瞳を閉じる。
/366ページ

最初のコメントを投稿しよう!

419人が本棚に入れています
本棚に追加