419人が本棚に入れています
本棚に追加
この学校にも、いなかった――。
僕は大きな溜め息を空に向かってついた。
屋上の塔屋の屋根に登り、行儀が悪いと思いつつも寝っ転がる。
やっと一人になれた。どこにいても僕を取り囲む生徒達。それは僕が転校生で珍しいからってだけでないのは分かってる。
皆にとって僕は十分過ぎる程、珍しい存在だ。日常に舞い込んできた非日常の異物。
そんな僕に何度も何度も話し掛けてくれるのは嬉しいけど、本当に申し訳ない。
だって誰も僕と話をする事はできないのだから……。
「眩し…」
まだキツい太陽の日射しに瞳を閉じる。
最初のコメントを投稿しよう!