その後 の 裏

10/13
前へ
/366ページ
次へ
 僕と母さんの目が点になる。 「お弁当とかお菓子とか…一緒に作って城乃内君に食べてもらいたいです」  あ…そっか。藤谷さんはいつもコックが作った僕のお弁当を気にかけていた。母さんの手料理を食べた事がない僕の為に……。 「え、ええ、いいわよ。料理は得意なの。教えてさしあげるわ」  あ、見栄を張ったな。包丁すら握った事がない癖に。 「ありがとうございますっ」  藤谷さんは嬉しそうに笑う。 「さ、さあ、もう夕食の準備が出来ている頃よ。行きましょっ」 「はいっ。あ、でも先に行ってて下さい」  そう言って藤谷さんはネットの所に走って行き、ボール拾いをする橘さんを手伝った。
/366ページ

最初のコメントを投稿しよう!

419人が本棚に入れています
本棚に追加