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それを見て母さんは不思議そうに首を捻る。
「そんな事は使用人にやらせればいいのに、変わった子ね」
「でも、いい子でしょ」
「なっ、何言ってんのよ。雅希の方が何千倍も、いい子に決まってるわ」
母さんは少し照れたように怒りながら先にリビングに向かった。
「お待たせ~っ」
水平に持ったラケットの網の上にボールを沢山乗せて藤谷さんが戻ってきた。
「あ、ごめん。手伝わなくて」
「いいの、いいの」
橘さんは集めたボールをカゴに戻すとニコニコしながら扉まで歩いた。
「それでは坊っちゃま、私も先に行ってます。どうぞ続きを」
「えっ!?」
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