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作品概要を読んで「お、面白そう」となったので読んでみました。さて、色々語っていきます。
……と、その前に。一応、僕のレビューのコンセプトというか意識していることは、作品を読んだ人、あるいは作者さんが参考にできるようなレビューになることです。
なのでネタバレとか普通にやっちゃってますが、まぁご了承くださいませ。 では。
・ストーリー……2点。(5点満点)
戦記モノなので仕方ないのかもしれませんが、全体的にお話に起伏がないのがやや難点。
700ページ以上読んだ段階で、出陣→主人公の策で敵を倒す→勝利。このパターンしかほとんどないんですね。途中からラブコメパートが増えるのはそれを危惧したからなのでしょうか……?
誤解のないように言っておくと、なにもこの一本調子が悪いワケではありません。問題なのは、この一本調子の中にメリハリがないということなんです。
この作品、おそらくコンセプトは、現代の知識をもった主人公の戦略や戦術で敵を打ち倒す部分に活劇性というか、爽快感のようなものを味わってもらうことだと思います。(読者を楽しませる作品である場合)
しかし現状、本作にはその爽快感をあまり感じられないのです。
印象としては、戦術の教科書を読んでいる気分。だから主人公がどれだけ意外性のある策を用いようと、どれだけ主人公が頭が切れようと、感心はするし関心もするけど、興奮したりカタルシスを感じられない。
戦記モノである以上(しかも主人公が敵をバッサバッサなぎ倒すタイプじゃない)、こういった部分で活劇性をもたせられないのは非常にマズイ。僕はこういった教科書タイプは嫌いじゃないので問題なかったのですが、読者を選ぶことになってしまっている原因なのは間違いないかと。
何故こう感じるのかというと、【敵側の描写が弱い】。これに尽きます。
主人公の戦略をいかに大胆かつ驚きをもって読者に伝えられるかは、敵側――つまり、主人公の戦略にハマる側の描写次第といっても過言ではありません。
敵側が予期せぬ策に驚き、慌てふためき、その策がいかに想定外であるかを語る、もしくはその体験を描写することによって、読者は主人公の凄さを実感し、高揚するんです。
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