デンシ・レンジ

3/4
前へ
/12ページ
次へ
  ・ストーリー……3点。 ひたすら主人公が悪役を倒していく。良い意味でも悪い意味でもこれだけ。良い悪い以前に勿体ないなぁと感じてしまいました;   確かにこの作品、カタルシスはあります。しかしここまで一本調子だとやはり飽きがきます。媒体がアニメや漫画のような、視覚中心のものならこれでも構わないのですが、小説は読者が読んで理解しないといけません。   そうして、楽しむ為にひと手間かかる媒体で同じ展開、同じカタルシスだけというのは少しマズイかもしれません。 だからこそ、僕はピアスとの恋愛パートや、レンジと脇役の交流はもっともっと活用していって良いと思います。   前述のキャラの弱さと共通して言えることなのですが、キャラの厚みというのは単体だけではつきにくいし、一人一人に過去をもたせるにしても限度があります。 では、どうすれば魅力がつくのか?   それは、キャラ同士の交流にあります。キャラとキャラが関わりあうことによってキャラは変化していき、より魅力的になっていくのです。特にレンジの場合、恋愛パートにしろ友情パートにしろ、極めて重要な要素です。   レンジはファンタジーの世界では常に一人ぼっちなワケですから、疎外感からくる寂しさとか、ブレイズらとの交流で心が温まるような描写を描けば、それだけで周りのキャラも、レンジももっと魅力的になるでしょう。   そんな描写を挟んでいけば、ストーリーにも当然メリハリが生まれてくるし、厚みも増します。現状、カタルシス優先のパートが要所ではなく随所になっているので、1000ページ以上続く長編を意識しているのであれば、ここらでそういった路線も考慮してみると良いかもしれません。 
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加