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2‐Cと書かれたプレートを確認して、騒がしい教室の戸を開けた。
ガラガラ、と新しいはずなのに扉の音がやけに響いた気がしてドキリとする。
(試合より緊張する)
一瞬入るのを躊躇ったが、『奏はいつも通りにしてればいいよ』という幼馴染みの言葉を思い出した。
教室に足を踏み入れると何対かの目がこちらを見るのが分かる。
「あれ?うちにあんな子いたっけ?」
「さぁ?」
「もしかして海外研修生じゃない?」
「あぁ!!噂の!!」
(噂のって何ですか噂のって!!)
クラスメイトの会話に思わず内心で突っ込みを入れてしまった。
落ち着けーと言い聞かせて、いつも通りいつも通りと意識する。
「おはよー!」
大きな声を出すと、自然と自分を取り戻せるもので、すっと緊張が抜けて上がっていた肩がいつもの撫で肩に戻った。
クラスメイトが驚いた様子でこちらを見ているが気にしない。
「おはよう」
黒板に貼ってある座席表を確認するべく歩き出すとほぼ同時に、後ろから声がした。
振り返ると、胸まである長い黒髪が綺麗な子。
「おはよう」
その子はもう一度同じ言葉を繰り返した。
思わず固まっていた私はっとして、
「お、おはよう!!」
えらく焦った。
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