蝶は花を求めて

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ゴチャゴチャとゴミゴミしい街。 青年が追った飛空機はここからだいぶ離れた都心にある、とてつもなく高い建物に向かって行った。 薄緑の、特殊な素材で出来ているその建物は、国の代表、大臣、そして機密レベルの研究を行っている研究者が集まっている、らしい。 いわば国の心臓部分だ。 青年はそれを見て一度舌打ちし、そして雑音に堪えられなくなり、都心とは逆の方を向いて歩き出した。 規模の大きな街だけあって、人が多い。 家族、カップル、子供同士。 いろんな人間とすれ違いながら、彼はまたキセルを取り出して吸い始める。 (次はどこに行くかな……) ぼーっとしながらそんなことを考え、行くあてもなくふらふら歩く。 出店では店員が大声で客寄せし、それにつられて人が集まる。 「ほらほら、世にも珍しい成長しないヒヨコだよ。安いから一匹どうだい?」 「可愛い~! ねぇ、買おうよ」 ぴぃぴぃと変な音がすると思ったらあれか。 一組のカップルのうち、女が食いついてヒヨコを見つめている。 (……やめといた方が良いと思うけどな)
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