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「……これ」
僅かに開けて、ユーリは動きを止めた。
「なに、なに? すずにも見せて?」
「…………」
ユーリの手元を覗き込むようにくっついて来たすずにちらりと目をやって、箱を全開した。
そこにあったのは、写真だった。
「写真?」
「ああ」
ユーリは頷いて、結構な枚数ある写真を全て取り出して机に置いた。
一番上の写真は、産着にくるまれた可愛らしい赤ちゃんが写っている。
「かわいい! 赤ちゃんだ」
すずは写真を見て声を上げ、他のも見て良い? と問う。
ユーリは頷き、すずが手に取った写真達を今度は彼が覗き込んだ。
一枚ずつめくると、その赤ちゃんが成長していく。
寝てばかり、笑顔のもの、おすわり、はいはい、掴まり立ち、離乳食……。
しかも赤ちゃんが可愛いから、見ていてとても楽しい。
「可愛いね~。すず、赤ちゃん見たの初めて」
「……マジか」
ユーリは呆れて、ため息を一つつく。
二十枚ほど見て行ったところで、その子が男の子だということがわかる。
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