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そこから急激に成長の速度が上がり、誕生日ごとの写真しか現れなくなった。
「お誕生会の写真ばっかりだねぇ」
「…………」
すずの、特に深い意味など全く無い言葉にユーリは視線を落とした。
誕生日会の写真がしばらく続き、その次にはもう男の子はだいぶ大きくなっていて、紺色の制服を着ていた。
「この服、なに? オシャレだね」
「初等学校の制服。普通は四歳から通うんだよ」
「そうなんだ。すず、学校も行ったことないや……」
そう言って、羨ましそうに男の子の制服を見つめてから次に行く。
同じ制服を着て、でも背が伸びている男の子の写真。
卒業式だ。
次は中等学校の入学式。
そして卒業式。
(……あれ? この人って……)
すずは中等学校の卒業式の写真を見て、あることに気付く。
誰かに似ている。
髪は黒くて短く、目は切れ長で綺麗な顔をした男の子。
卒業式の次の写真は、その男の子と可愛らしい少女が写っていた。
少女が男の子の腕に抱き着いて、男の子はそのことに赤面している。
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