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「あ、デート? 恋人かなぁ。スッゴく可愛い人」
「…………」
すずは目を輝かせて、写っている少女を見つめる。
色白の肌に、ほんわかした笑顔。
髪は黒くて、二つに分けて結んでいる。
ピンクのフリフリしたワンピースがよく似合っている。
胸元には、これもまたピンクの小さいネックレスがあり、それを見てからすずは男の子の方にも目をやった。
グレーのパーカーに黒いシャツ、丈の長いズボンを穿いている。
「……あ、やっぱり!」
「?」
「やっぱりこの人、ユーリでしょ!」
御名答、と言って彼は立ち上がり、着物を脱いだ。
体が重いと思ったら、まだ脱いでいなかった。
「へぇ。ユーリの小さい頃ってこんなだったんだぁ」
すずは何だか嬉しくなって、更に写真をめくっていく。
幼いユーリと可愛い少女のツーショットばかりだ。
「これ、誰なの? スッゴく仲良さそう」
「妹」
「いもうと……」
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