8人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
「悪ぃ、電気消して」
「あ、うん……」
すずは素直に言うことを聞いて、背伸びをしながら電気の紐を引いた。
一瞬で部屋が闇に包まれる。
と、また閃光が部屋の中に走ってすずは小さく悲鳴を上げた。
そして寝転んでいるユーリにくっついた。
「ぅわ!? なんだよ」
「い、一緒にいてって言ったし。……こ、怖いから」
「は? さすがに一緒に寝るのは嫌だからな。オレにそんな趣味ねぇよ」
くっついているすずから視線を逸らすように言って、ユーリは目を閉じた。
すずは半泣きになりながらユーリに縋る。
「ねぇ、お願い。今日だけで良いからぁ」
「お前、その言葉何度目だよ……」
「? 一回目……」
すずがそう小さく言うと、ユーリはハッとして顔を歪め、深いため息をついた。
「……だな。悪ぃ。わかったよ。今日だけだぞ?」
「うん……! ありがとう!」
ユーリの返事にすずは顔を明るくして彼に抱き着いた。
冗談抜きで暑い。
最初のコメントを投稿しよう!