蝶は花を求めて

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「悪ぃ、電気消して」 「あ、うん……」 すずは素直に言うことを聞いて、背伸びをしながら電気の紐を引いた。 一瞬で部屋が闇に包まれる。 と、また閃光が部屋の中に走ってすずは小さく悲鳴を上げた。 そして寝転んでいるユーリにくっついた。 「ぅわ!? なんだよ」 「い、一緒にいてって言ったし。……こ、怖いから」 「は? さすがに一緒に寝るのは嫌だからな。オレにそんな趣味ねぇよ」 くっついているすずから視線を逸らすように言って、ユーリは目を閉じた。 すずは半泣きになりながらユーリに縋る。 「ねぇ、お願い。今日だけで良いからぁ」 「お前、その言葉何度目だよ……」 「? 一回目……」 すずがそう小さく言うと、ユーリはハッとして顔を歪め、深いため息をついた。 「……だな。悪ぃ。わかったよ。今日だけだぞ?」 「うん……! ありがとう!」 ユーリの返事にすずは顔を明るくして彼に抱き着いた。 冗談抜きで暑い。
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