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仰向けになったユーリにすずはピッタリとくっついて、彼のシャツを握り締める。
そしてエヘヘ、と笑った。
「すず、こうやって誰かと寝るの初めて」
「あっそ」
「ユーリは? パパとかママと一緒に寝てた?」
一緒に寝るとなった途端いつものように喋り出すすず。
雷が鳴っても聞こえていないらしく、怖がらない。
さっきのは演技か?
「オレは両親に可愛がられなかったからな。……姫とは寝てたな。あいつ、いくつになっても一緒に寝ようって。とんだブラコンだよな」
可愛かったから良いけど、と心の中で付け足してすずの頭に目をやる。
暗闇の中に見える小さい頭。
僅かな光を反射する細い髪。
また、動悸がする。
「そうなんだ……。ほんとに妹と仲良しだったんだね。すず、妹は結婚とかして離れ離れになっちゃったんだって勝手に思ってた……」
「だったら良いんだけどな。オレも時々そう思って現実逃避する。でも、あいつはもうどこにもいないんだよな……。なあ、正直シスコン過ぎて引いてるだろ?」
自らを嘲笑うようにしながら言うと、すずはふるふると首を振った。
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