蝶は花を求めて

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怖い。 その言葉が妙に頭に響く。 頭痛がする。 「……怖いって、なにが? 殺されることが? んなの気にすんなって」 「……それもだけど、それだけじゃない気がする」 「……?」 すずはまたユーリの胸に頭を押し付けて、頼りない声で答える。 「……ユーリにも、迷惑掛けちゃう」 「それは気にすんなって言ってんだろ? オレも追われてんだぜ? ほんとはライラックの連中に捕まんなきゃなんねぇ人間だぞ?」 「……だってすず、ユーリのこと好きだし……」 その言葉の後、沈黙が二人を包む。 異様な雰囲気にすずは慌てて体を起こし、ユーリを見下ろすようにして言う。 「べ、別に恋愛かんじょーとか、そんなんじゃないよ!」 「当たり前だ。お前みてぇなガキ、こっちから願い下げだ」 「…………」 すずはぷくぅ、と頬を膨らませてまた寝転ぶ。 「オレのことなんか忘れた方が良いって。犯罪者だぜ?」 「すずもだし。……とにかく、もうパパのとこには帰りたくない」
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