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「ん。満足か?」
「…………」
ユーリの右目を見た途端すずはポカンとして、口を開けたまま彼の目を見上げる。
彼の右目は色を失って、且つ透き通っていた。
「気持ち悪いだろ? だから見るなっつったんだよ」
「ううん。気持ち悪くないよ?」
顔を背けようとしたユーリの頬に手を置いて、すずは彼の目を覗き込む。
不思議な色だ。
「すず、ユーリのその目綺麗だと思うよ? ガラスとか、ビー玉みたいで綺麗!」
至近距離でそう言われて、ユーリはたじろぐ。
そんなことを言われたのは初めてだ。
「真ん中がキラキラしてる。でもやっぱり、黒い目の方が綺麗だなぁ。ユーリの目、真っ黒なんだね」
ジーッと見つめられて居心地が悪くなるが、顔を掴まれているせいで身動きできない。
「ユーリの目、真っ黒なのに真ん中は銀色してる。へへ、すずが写ってる」
可愛らしい笑い声にユーリは顔を背けた。
また動悸がして、頭痛が悪化する。
「あ~、せっかく見てたのにぃ」
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