蝶は花を求めて

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「もう、綺麗って言ってるのに。まあいいや。ねぇ、あの数字のお話しようよ。なんでママの数字と、ユーリの妹のす……」 「オレの妹っていちいち言うの面倒だろ。姫で良いよ。オレが許可する」 言いたいことを言えずに途中で遮られて、すずはムッとしたがそれよりも気になることがある。 「なんでユーリが許可するの?」 「姫を姫って呼んでたの、オレだけだったから。あいつはお姫様だからな」 「ふぅん。じゃあ姫ちゃんって呼ぶよ。呼び捨てはなんかやだし……」 すずの言葉にユーリは目を開けて薄く微笑み、頷く。 「なんで姫ちゃんとすずのママの数字がおんなじだったの? あの数字、なに?」 「まず先に。お前の数字もママと同じなんだよな?」 「? うん。パパが言ってた。だからちゃんと言うと……姫ちゃんとママとすずの数字が一緒なの」 言われたユーリは体を起こして考え込む。 やはりおかしい。 三人も同じ遺伝子番号を持っているなんて。 「あの墓に書いてあった数字ってのはな、遺伝子番号って言うんだ」
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