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「遺伝子ばんごー?」
「そ、遺伝子番号。前に言ったろ? この世のあらゆる物には、遺伝子情報が含まれてる。人工の物は別な。その情報の最低限の数字が遺伝子番号」
ふぅん、と言って、すずは腕を組んで考え込む。
ユーリはそれを見て自分も考え込む。
「遺伝子ばんごーが一緒ってことは、遺伝子じょーほーもおんなじなの?」
「多分、高確率でな」
「遺伝子じょーほーがおんなじだと、なにかあるの? 双子とか?」
年の割に頭の回転が早いすずに感心しながらもユーリは首を横に振った。
「双子でも遺伝子情報は違う。考えてみろよ。双子っつっても、百パーセントおんなじじゃねぇだろ?」
「そっか……。一緒だと大変だもんね。おんなじ人が二人いるってことになっちゃうし」
そういうこと、と答えて彼は窓に目をやった。
すずもつられて目をやる。
雨が窓を叩く音が聞こえてきた。
「今日も雨?」
「みてぇだな。変な天気が続くな……」
「ねぇ! 雨見ながらお話しようよ。すず、雨見たい!」
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