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つまらなさそうにユーリは答えて天井を見上げた。
雨の音が心地好い。
「それに、神様は悲しくて泣いてるって決まった訳じゃねぇだろ? 嬉し泣きかもしれねぇし」
「そっか。その考えは無かったなぁ。ふふ、雨さんキレイ」
嬉しそうに体を揺らしながらすずは空を見上げ続ける。
ユーリは一度息をついて口を開いた。
「なあ、本題に戻ろうぜ? 遺伝子番号の話」
「え? あ、そうだ。忘れてた……」
アハハ、と頭を掻きながら顔をユーリに向けてすずはちょこんと正座した。
「双子でもおんなじ数字は有り得ないってことは、おんなじ数字を持つ人って普通はいないってことだよね?」
「ああ。ただでさえ地区ごとに分けられて、六桁の数字で表記されるんだ。普通は被らねぇよ。引っ越したとしても、地区番号だけはそのままだしな」
うーん、とすずは腕を組んで考え込む。
小さい頭で一体なにを思っているのだろう。
「不思議だねぇ。二人ならまだ……。でも三人だしなぁ」
「そこなんだよ。オレが不可解だと思うとこは」
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