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ユーリは言って、虚ろな目で空を見つめた。
白く明るい空から銀色の直線が落ちて来る。
「二人ならまだライラックのミスって考えは有り得る。だけど三人同じで、しかも姫を別に考えりゃあお前とお前のママの番号が一緒。そこが一番有り得ねぇんだよな」
「親子で一緒なのが、一番有り得ないの?」
「そう。遺伝子番号は家族単位で連続した数字になる。十年前に、一気に番号を割り振ったからな。例えば、オレの番号の下二桁は55。姫は56ってな。親父達とも番号が近いはずだ。53、とかな」
ふぅんとすずは小さく言って、どうしてそうするの? と聞いた。
「番号を管理する時に、すぐにミスが見つけられるように、だよ。いきなり突拍子もない番号が出てきたり、被ってたりしたらすぐにわかるだろ? ミスだって」
「なるほど~」
フムフムとすずは頷いて、それからユーリの方に身を乗り出して明るい声で言った。
「ユーリってほんとに物知り! やっぱり研究所にいたんでしょ!?」
「……研究所にいたら、今頃こんな生活してねぇよ。それに、こんくらいのことはちょっと調べりゃわかる」
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