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どこか暗い声で言って、ユーリはため息をついた。
その後すずは寂しそうに俯いて、肩を落として弱々しく言う。
「じゃあやっぱり、ママは見つけられないのかなぁ……。すずの勘違いだったのかも……」
「それは分からねぇな。ミスかもしれねぇし」
(もしかしたら本当にこいつの母親と姫が繋がってるのかもしれねぇし……)
心の内でボソリと呟いて、ユーリは立ち上がった。
すずはそれに気付いてもなにも反応せず、しょんぼりと畳を見つめていた。
「…………」
ユーリは彼女をちらりと見てから再び机の側に腰を降ろして、着物からキセルを取り出して一服する。
「……ねぇ、ユーリ?」
「あ?」
「もしママを見つけられないままだったら、ユーリはすずのこと怒る?」
突然そんなことを言われて、ユーリは怪訝そうな顔をしてから呆れたように一息つく。
「怒るわけねぇだろ。……オレも、お前のママのこと気になってきたしな。ミスかもしれねぇけど、姫と同じ遺伝子持ってんだ。それに、そんなの今更だろ?」
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